2008年12月02日

ドナーの気管と自分の幹細胞を使い気管支移植に成功

バルセロナでのニュースより、

先日、他人から提供された気管(気道)と患者自身の幹細胞を用いて作られた、気管支移植の手術が初めて行われ、手術の成功がレポートされています。

患者はスペイン、バルセロナ在住の30歳の女性Claudia Castilloさんで、15歳と4歳の2人の子供の母親です。
現在のところ拒絶反応を予防する免疫抑制薬の使用は不要で、子供たちのの世話をすることも可能になったほか、階段の上り下りや、夜ダンスに出かけることもあるということ。。。

手術が行われたのはバルセロナ・ホスピタルクリニックHospital Clinic of Barcelona(バルセロナ)。英ブリストルBristol大学、イタリアのミラノ工科大学Politecnico di MilanoおよびパドゥアPadua大学の医師らは、今回の手術経過について英医学誌「The Lancet」オンライン版で11月19日に報告しています。

Castilloさんは4年前に咳(せき)の症状が続き、結核と診断され、肺虚脱にまで至っりましたが、今年(2008年)3月には子どもの世話が不可能になるほど容態が悪化。
治療の選択肢には肺摘出もあったが、この方法は生存できても生活の質(QOL)が著しく悪化されることから、バイオ工学(bio engineering)によって作られた「新しい」気道の移植を受けることになりました。

研究チームは、患者自身の骨髄から採取した幹細胞から上皮細胞と軟骨細胞を作り、脳出血により死亡した51歳の女性から提供された7cmの気管にこの細胞を移植。

4カ月後にできた「ハイブリッド」臓器を、6月に患者の左気管支に置き換えて移植。
提供された気管は25回の「洗浄サイクル(washing cycles)」を経て、移植した組織に対する拒絶反応の原因となる抗原が除去されました。
この手術による合併症はみられず、Castilloさんは手術後10日で退院したそうです。

米テキサスA&M健康科学センターのRonald Kuppersimth博士は、免疫抑制薬を使用する必要がない点でこの新しい手術に大きな期待を示しており、肺癌(がん)患者のように免疫システムが低下している患者にとっても有用なものとなる可能性があると述べています。

組織バイオ工学は身体の他の部位にはすでに利用されていますが、これまで気道に利用されたことはないということで、米レノックスヒルLenox Hill病院(ニューヨーク)のLen Horovitz博士は「幹細胞が提供された気管をうまく覆い、気管と一体化すれば拒否反応は起きない。
この種の移植手術は今回が初めてで、幹細胞を免疫モジュレーター(調整器)として利用し、臓器を元の型から望ましい型へと変換するもの」と説明しています。
その一方で、「幹細胞が気管提供者の細胞の機能をどれほど引き継ぐことができるかによって成否が決まる。この方法が今後の主流となるかどうかには、より多くの患者での研究が必要」と慎重な意見を述べてもいます。

スペインでの一般医療には、一抹の不安もありますが、こういう最先端の医療研究、実施も行われているのですね。 少し驚きました。
posted by eipi at 18:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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